心霊スポットO池:30代女性の体験談
私が学生の時に体験した話です。
某SNSで友人と連絡を取っていて、肝試しをしようという話になりました。
行く場所は県内でも心霊スポット。O池。
O池にはいくつか噂があります。
よく聞くのは、池の前で写真を撮ったら、池から無数の手が伸びている写真が撮れる、というものです。
もちろん、怖い物知らずの人がその池で泳いだ数日後に亡くなった、という真偽が分からない噂も多々ありました。
お互い若かったので、行ってみればどうせ大したことない、と思いながら車でO池へ向かいました。
友人に迎えに来てもらい、車で約1時間。
人気はもちろん、光源の少ないO池に到着しました。
池の周りのは雑木林。
いざ着いてみると、虫や蛙の声も少なく、幹線道路からも離れているので人工的な音もなく、
そこは静寂に包まれていました。
時は8月。
夜とはいえ蒸し暑い日々が続いているはずなのに、寒い。
なにかここは変な場所だな、と私は思いながらも友人2人と車から降り、
スマホの光を頼りに池に近づいて行きました。
パッと何かが光ったと思ったら、友人が「1人でビビってる姿を撮ったぞ〜」と笑いながら
私にスマホを向けていました。
私は、「やめてよ〜!」と言いながら友人のスマホを奪おうと近寄ったのですが、
不意に『あれ?一緒に車から降りた人は、もう1人はどこに行ったの?』と不意に思ったのです。
すると突然、「今すぐ帰ろう」と緊張した声で目の前の友人が言うのです。
「来たばっかりだよ?池の写真も撮ってないよ?」と私が言うと、「いいから帰るぞ」と強い口調の友人。
私は、有無を言わさぬ友人の態度に不信感を抱きながらも一緒に車に戻りました。
車に乗った友人は、大きく深呼吸をしてから車のエンジンを掛け、
ゆっくりと元来た道を戻っていきました。
池から離れて30分位経った頃に、
友人がポツリと「俺とお前以外、あそこには人はいなかった」と言いました。
私は、友人に「え?一緒に車を降りた人がいたでしょ?」と、言いそうになりました。
しかし、その言葉を発する前に、恐怖感が全身を襲いました。
…私達は《2人》であの池に行ったはずなのに、
なんで後部座席からもう1人降りてきたと思ったのだろうか?と…。
私は、運転している友人の横顔を見ながら、「うん…2人しかいなかったね…」と小さく答えました。
しばらくして私の家に着き、車から降りる時、後部座席は見れませんでした。