美術室:30代女性の体験談
学生のころの話です。
仲のいい友達数人と誰も残っていない教室でおしゃべりをしていました。
喋り疲れたとき、隣の美術室から何かを壁に叩きつける音が聞こえました。
それはチョークで黒板に文字を書くような、それよりも力強い音です。
美術室には誰もいないはずなのにと思い、好奇心で見に行くことに。
美術室のドアは立て付けが悪く、上に押し上げるようにすれば開くことを
生徒はみんな知っていたのでその要領で開けると中には誰もいません。
湿った絵具臭い教室を後にしようとした時です。
友達が「あれを見て」と言うので黒板を見るとチョークで
書きなぐったような跡が複数あるではないですか。
まさしく私たちが聞いた「カッカッカ」というチョークのような音は
これだと確信しました。
意味のない、白いすじがデタラメに叩きつけられたような
それは純粋な悪意や恨み言のように見えました。
恐ろしくなった私たちは急いでその場を後にしました。
これはその後聞いたことですが昔、美術部員の男子生徒が思い通りの作品が書けないことに悩んだ末、
自殺を図り遺書としてチョークで黒板に恨み言を書いてから亡くなったそうです。