普通のホラーとはちょっと違う:シャイニング(1980年)
シャイニング(1980年)
基本情報
配給:ワーナー・ブラザーズ
出演者:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、スキャットマン・クローザース、ダニー・ロイドほか
映画の概要
この作品はとある家族の悲惨な冬が描かれたホラーサスペンス映画です。この一家の父親は小説家志望で、冬季間閉鎖されるオーバールック・ホテルの管理人として住み込むことになります。最初は穏やかに生活していたのですが、このホテルは曰く付き。徐々に一家はその何かに犯されていくという内容です。
映画の感想
この作品の主人公であり父親ジャックを演じたのは
俳優のジャック・ニコルソンです。
作中では小説家を目指している設定のためタイプライターで
毎日作品を綴り続けるのですが、徐々に目つきや言葉遣いから
人格が崩壊していく様が描写されています。
ジャック・ニコルソンの狂気に満ちた演技と合わせて、
舞台になっているオーバールック・ホテルの閉鎖的な環境も
恐怖をそそります。
また、一度見た人ならわかると思いますが
ジャックが異常をきたし始めてから妻ウェンディーも終始パニック状態で、
時には悲鳴をあげ逃げ惑う姿が目に焼き付いて離れません。
若干トラウマになるくらいのものです。
そしてこの作品と切っても切り離せないのが息子のダニー。
ダニーには超能力があり彼にだけ見えたり聞こえたりするものがありました。
ダニーはこのホテルの邪悪な存在に気付き始めるのですが、
彼のこの力が物語の重要な鍵を握っています。
ホラー映画と言うだけあってこの作品にも
確かに霊的な存在が関係しています。
しかし、見ている側の恐怖を誘うのはそういった霊的な存在ではなく、
生身の人間であるジャックやウェンディーの精神が崩壊していく姿だと思います。
私が一番印象に残っているシーンは、
ホテルの外にある迷路で狂気に満ちたジャックからダニーが逃げるところです。
いつ見つかってしまうかわからないし、
見つかれば殺されると言う恐怖の中ひとりで立ち向かう
ダニーの姿はとても勇敢でした。
一度みただけでは中々理解が難しい作品で何度か見直していますが、
何度見ても新鮮に怖いです。
長年ホラー映画ファンに愛されている理由がわかった気がしました。