病室の祖父:30代男性の体験談
まだ、私が小学校の低学年だった頃、母方の祖父が白血病のため入院していました。
当時は母の実家から離れた場所に住んでいたため、
祖父に会う機会は半年毎であったと記憶しています。
ある日、祖父の危篤の知らせが届き母が先だって実家に帰ることになりました。
日が改まってから母からすぐに来て欲しい旨の電話を受け、
父と共に祖父の入院する病院へ向かうことになりました。
病院の外から祖父の病室の窓を見ると祖父の後頭部がはっきりと見えました。
父にも同じように見えたようで、持ち直したのだと子供ながらに思ったのを
覚えています。
病院に入り、病室の前まで行くと表札が外され、
祖父の姿は病室にありませんでした。
その後、看護師から当日の朝早く、祖父が他界したことを告げられました。
後にも先にも不思議なものを見た経験はこの時だけですが、
今でも祖父はあの時私に会いに来たのだと思っています。