トンネルから聞こえる声:30代男性の体験談
これは私が高校生の時の話です、
季節は秋、高校の文化祭が近い私は毎日夜11時近くまで残り準備に明け暮れていました。
いつものように同じクラスのK君と途中まで帰り道が同じ私は一緒に自転車で帰宅していました、
私の通う高校は100年以上続く歴史があり当然その近くにもかなり古い建物や道路がありますが
途中に2か所の小さくて短いトンネルがあります、
長さは10メートルほどのすぐ通り過ぎるためいつも特に怖いということも無く帰宅していました。
しかしある日の帰り道K君と並びながらそのトンネルを通り過ぎようとすると後ろから
「おい・・・」
と声をかけられた気がしました、
「今何か言った?」と私が言うと
「いや、お前が喋ったんじゃないのか?」と怪訝そうな表情で聞き返してきます。
確かに聞こえたはずだしお互い同時に聞いたので不思議がっていましたが
夜遅くでお互いかなり疲れていたので空耳だろうとその日は家に帰りました。
後日文化祭後にそのことを母に話すと思いだしたことがあるらしく
私が声を聴いたトンネルのすぐ隣は国道だったのですがそこで数か月前植木屋さんが事故で亡くなったそうです。
聞こえた声と関連があるとは言い切れませんが
それから卒業まで帰宅途中のトンネルを通る時は緊張して通り抜けるようになりました。